宅建業免許の許可が下りるまでにやるべきことは?開業準備期間を無駄にしない具体的ステップ

宅建業免許の許可が下りるまでにやるべきことは?開業準備期間を無駄にしない具体的ステップ

不動産会社の開業にあたって、宅建業免許の申請を済ませた後は「許可が下りるまでの待機期間」に入ります。

この期間は一般的に30〜45日程度かかりますが、「ただ待つだけ」では非常にもったいない時間です。

実際には、免許交付までの間にやっておくべき準備が数多く存在し、これをどれだけ効率的に進められるかが、開業後のスムーズなスタートを大きく左右します。

本記事では、宅建業免許の審査期間中に進めておくべき具体的な準備ステップを、カテゴリごとに整理して解説します。

不動産開業の全体像を再確認

まず前提として、不動産会社の開業には次のようなステップがあります。

  1. 法人設立(または個人開業)
  2. 宅建士の確保・事務所の整備
  3. 宅建業免許の申請
  4. 審査・許可が下りる(約1〜1.5か月)
  5. 業務スタート(契約・仲介・案内など)

この中の「4. 許可が下りるまでの期間」にできることを、以下で詳しく見ていきます。

審査期間中にやるべき準備リスト

1. 名刺・ロゴ・看板などの営業ツールを準備

免許が下りた直後から営業活動を始めるために、名刺や会社ロゴ、看板類の準備を進めておきましょう。

  • 名刺デザインと印刷発注
  • 会社ロゴの作成(外注または自作)
  • 店舗・事務所用の看板、のぼりのデザイン・製作
  • 宅建業者票(標識)の注文

特に宅建業者票は、免許交付後すぐに掲示が必要です。業者によっては制作に数日かかるため、事前にテンプレートに沿って準備を進めておくと安心です。

2. ホームページやSNSの開設準備

オンライン集客のために、Webまわりの準備も同時並行で進めましょう。

  • 自社ホームページの立ち上げ
  • ドメイン・サーバーの取得
  • 掲載物件の枠組みやコンテンツの用意
  • LINE公式アカウントの作成
  • Instagram、X(旧Twitter)などのビジネスアカウント開設

開業後にいちから準備すると時間がかかるため、先行してデザイン・構成・素材を作っておくと、営業スタートと同時に発信が可能になります。

3. 物件情報収集と業者ネットワーク作り

実際の仲介や売買を行うためには、物件情報を仕入れるルートの確保が欠かせません。

  • 地場の不動産会社・管理会社との関係づくり
  • レインズ(指定流通機構)の利用方法の確認
  • 同業者間の情報交換ルートの整理
  • 地域の市場調査・競合分析

この時期に「どういう物件を扱うか」「どういう地域・顧客を狙うか」を明確にしておくことで、開業後のブレがなくなります。

4. 業務ツール・帳票類の整備

開業初日から契約対応できるよう、各種帳票や業務ツールの準備も重要です。

  • 重要事項説明書(ひな形)
  • 売買・賃貸借契約書の雛形
  • 案内書類・申込書類
  • 顧客管理(CRM)ツールの選定
  • 会計ソフト・見積請求書テンプレート
  • 社判・角印などの備品作成

事務所内のPC環境やネット回線、プリンターなどの設置もこのタイミングで整えておくべきです。

5. 広告・集客計画の立案と試作

営業開始と同時に問い合わせを獲得するためには、集客導線の事前設計が必要です。

  • ポータルサイト(SUUMO・ホームズなど)の掲載プラン検討
  • チラシ・ポスティングのデザイン案作成
  • 自社ブログのSEO記事草案
  • Googleビジネスプロフィールの下書き
  • 地域名+キーワードでの検索ニーズ調査

広告出稿の予算と時期をざっくり決めておくだけでも、動き出しが格段に早くなります。

6. 法定帳簿・備品の導入とセットアップ

宅建業者には、法定で備えておくべき帳簿類があります。

  • 取引台帳
  • 業務処理簿
  • 顧客対応履歴

これらはノート形式でもExcel形式でも可能ですが、事前に様式を決めておくと安心です。

7. 保証協会への事前相談

宅建業免許が交付されたら、すぐに営業を始めたいと考える方が多いですが、保証協会の加入手続きが間に入る場合があります。

  • 保証協会(全宅保証・全国宅建協会など)への仮相談
  • 必要書類の取り寄せ
  • 加入申請書類の下書き作成

加入を選択する場合、申請から登録までに1〜2週間かかるため、前倒しで準備が必要です。

宅建業免許の交付後にすぐ営業を始めるためのポイント

申請から交付までの数週間で、以下のような状態に仕上げておくことが理想です。

  • 契約書・説明書などの帳票類が印刷できる状態
  • 顧客に渡せる名刺やチラシが手元にある
  • ホームページが閲覧可能な状態で公開済み
  • 問い合わせ先(電話・メール・LINE)が明確
  • 案内できる物件候補が数件リスト化されている
  • 宅建業者票(標識)や看板が届いている
荒川 竜介

このように、免許交付日=営業開始日とできる体制を整えておけば、タイムロスなく事業をスタートできます。

まとめ:宅建業免許が下りるまでの“待機時間”こそ勝負

宅建業免許の許可が下りるまでの期間は、ただ「待つ」だけでなく、「整える」「仕込む」「準備する」ことに最大限活用できるフェーズです。

この期間にやるべきことは意外と多く、事前に動いておくことで開業直後からプロフェッショナルな営業体制を構築できます。

事業の出だしをスムーズにするために、以下を意識して動いてみましょう。

  • 営業ツールや名刺などの制作を先行しておく
  • Web・広告・物件情報の土台を作っておく
  • 契約対応・顧客対応の準備を整える
  • 保証協会や関連機関の手続きを並行して進める

準備期間の使い方ひとつで、開業初月の成果も大きく変わります。許可が下りるその日まで、計画的に動き、確実なスタートダッシュを目指しましょう。

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