不動産会社を開業したら法人用の銀行口座はどこで作る?開設手順とおすすめ銀行を解説

不動産会社を開業したら法人用の銀行口座はどこで作る?開設手順とおすすめ銀行を解説

不動産会社を設立して開業する際、営業開始前後に必ず必要になるのが「法人用の銀行口座」の開設です。

売上の振込、経費の支払い、税務処理など、事業運営において法人口座は欠かせません。

しかし、個人と違って法人名義の口座は審査があるため、開設に時間がかかったり、必要書類が多かったりすることも。どの銀行で作るべきか悩む方も多いでしょう。

この記事では、不動産会社の開業後に法人用の銀行口座を開設する際の手順や審査ポイント、おすすめの銀行について詳しく解説します。

なぜ法人用の銀行口座が必要なのか?

開業初期で売上が発生する前でも、法人用の銀行口座は早めに用意すべきです。主な理由は以下の通りです。

取引先との信頼構築に欠かせない

法人名義の口座があることで、「しっかり法人として登記された会社」であるという信用が得られます。個人口座でのやり取りは、信頼性に疑問を持たれる可能性があります。

経理・税務処理が明確になる

売上入金や経費の支払いをすべて法人名義の口座に一本化することで、帳簿管理や会計ソフトとの連携がスムーズになります。確定申告や税理士とのやり取りも簡素化されます。

融資や助成金申請時の必須条件

金融機関からの融資や、行政による助成金・補助金を受ける際には、法人名義の口座が必須条件になることがほとんどです。事前に準備しておくと安心です。

法人口座の開設に必要な書類

法人用の銀行口座を開設する際には、以下のような書類の提出が求められます。

  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)※発行から3か月以内
  • 法人印鑑証明書
  • 代表者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 会社の定款
  • 開業届(個人事業の場合)
  • 実際の事業実態がわかる資料(HP、チラシ、契約書など)
  • 事務所の賃貸契約書(レンタルオフィス含む)

銀行によっては、面談や事業内容の詳細なヒアリングを行うケースもあります。

法人口座の開設手順

実際に法人用口座を開設する流れは次の通りです。

1. 会社設立を完了させる

口座開設は法人登記が完了してからでなければ申請できません。登記完了後、登記簿謄本と印鑑証明書を取得しておきましょう。

2. 銀行を選定する

メガバンク・地方銀行・ネット銀行などの中から、自社の取引内容や地域性に合った銀行を選びます。複数の銀行に申し込むと審査に不利になるケースがあるため、1〜2行に絞って申請するのがベストです。

3. 書類を準備する

銀行指定の申請書類に加えて、上記の基本書類を揃えます。事業の内容や見込み売上などの説明資料があると、審査がスムーズになります。

4. 審査・面談

書類審査後、銀行担当者との面談があることも。会社の業種や事業の具体的な内容、事務所の有無などを確認されます。不動産業の場合は「宅建業免許証」の写しも提出すると信頼性が高まります。

5. 口座開設完了

審査が通過すれば、1〜2週間ほどで口座開設が完了します。キャッシュカードや通帳の発行、ネットバンキングの登録などもこのタイミングで行います。

不動産開業時の銀行選びのポイント

法人の口座開設においては、単に審査の通りやすさだけでなく、将来的な取引やサポート体制も見据えて銀行を選ぶことが大切です。

審査の柔軟性

設立間もない法人にとっては、審査が厳しすぎる銀行では開設が難しくなります。新設法人に対応している銀行を選ぶのが得策です。

ネットバンキングの使いやすさ

不動産会社は外出が多いため、振込・入金確認などがスマホやPCでスムーズにできるネットバンキングの操作性も重要です。

ATMや支店の利便性

取引先が現金での支払いを希望する場合や、急ぎの入金対応など、ATMや支店の立地も重要な要素です。自社の活動エリアに支店がある銀行を選ぶと便利です。

融資・ビジネスサポートの充実度

将来的に融資を検討しているなら、中小企業向けサポートに積極的な銀行を選ぶと、金融面での相談もしやすくなります。

不動産会社におすすめの法人向け銀行

ここでは、不動産会社を開業する方に人気の高い法人向け銀行をいくつか紹介します。

三井住友銀行・みずほ銀行・三菱UFJ銀行(メガバンク)

信用力は圧倒的で、大手の取引先からも信頼されやすい銀行です。融資や海外送金にも強く、全国対応が可能。ただし、審査はやや厳しめで、開業間もない法人は審査に通りにくいこともあります。

りそな銀行・地方銀行

地域密着型のサービスが魅力。近隣に支店がある場合は、取引先との振込手数料も抑えられるケースがあります。支店によって審査基準が異なるため、事前相談をしておくのがおすすめです。

GMOあおぞらネット銀行・住信SBIネット銀行

オンライン完結で口座開設ができるネット銀行。店舗がない分、手数料が安く、使い勝手も抜群。反面、事業実態が確認しづらい場合は審査が厳しくなることもあります。すでに自社HPや事業実績がある場合におすすめです。

ゆうちょ銀行

開設ハードルが低く、地域性に関係なく利用しやすいのが特徴。入金やATM利用が多い業態に向いています。ただし、ビジネスサポートやネットバンキング機能は他行に比べて弱めです。

審査を通過しやすくするコツ

法人の口座開設は、すべての申請が通るとは限りません。

特に設立直後は、マネーロンダリング対策の一環として慎重に審査されます。以下のポイントを意識すると、審査通過率が高まります。

  • 登記住所と実際の事務所住所を一致させておく
  • 会社HPやSNS、名刺などで事業実態を示す
  • 会社設立時の目的が具体的である
  • 宅建業免許をすでに取得している、または申請済みである
  • 担当者との面談では丁寧に事業内容を説明する

まとめ:口座開設は“早めに・目的に合った銀行で”

法人用口座は、不動産会社の開業において欠かせないインフラのひとつです。

事業スタート後に必要な取引や資金管理をスムーズに行うためにも、登記が完了した段階で早めに準備を進めることが大切です。

審査基準やサービス内容は銀行ごとに異なりますので、自社の業態や事務所の所在地、将来的な資金調達などを見据えて、最適な銀行を選びましょう。法人としての信用力を築く第一歩として、しっかりと準備を整えておくことが重要です。

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