不動産会社を開業するなら法人印は必須?必要な印鑑の種類と作成時の注意点を解説

不動産会社を開業するなら法人印は必須?必要な印鑑の種類と作成時の注意点を解説

不動産会社を開業するにあたって、登記や契約、営業活動などで使用する「法人印」の準備は欠かせません。

個人の印鑑とは異なり、法人としての印鑑には法的・実務的な役割があり、不備があると手続きが進まなかったり、取引先からの信用を損なうリスクもあります。

この記事では、不動産会社の開業に際して必要となる法人印の種類やその用途、作成時の注意点を詳しく解説します。

法人印は不動産会社の開業時に必要なのか?

結論から言えば、法人として不動産会社を開業するなら、法人印は必須です。

法人設立登記や銀行口座の開設、宅建業免許申請など、各種手続きで印鑑の提出や押印が求められるため、早めに準備しておくことが重要です。

個人事業主としての開業であれば実印や認印でも代用できる場面はありますが、法人の場合は「法人としての法的な証明手段」としての印鑑が求められます。

不動産会社が用意すべき法人印の種類

法人印と一口に言っても、用途に応じて複数の印鑑が必要です。

以下に、不動産会社の開業において準備しておきたい主な印鑑の種類を紹介します。

  1. 代表者印(実印)
  2. 銀行印
  3. 角印(社印)
  4. ゴム印(住所・社名など)

1. 代表者印(実印)

法人設立時に法務局へ登録する印鑑で、最も重要な法人印です。登記簿に記録され、契約書や公的手続きなどで法的効力を持つ押印として使用されます。

主な使用場面
  • 法人登記
  • 銀行口座の開設
  • 不動産売買契約
  • 重要事項説明書の押印
  • 融資・保証契約 など

【サイズ】通常は直径18mm程度
【文字構成】「会社名+代表取締役印」など

2. 銀行印

金融機関に届出するための印鑑で、銀行口座の開設・管理に使用されます。代表者印と兼用することも可能ですが、セキュリティ面を考慮して別にするのが一般的です。

主な使用場面
  • 法人口座の開設
  • 銀行での各種手続き(振込依頼書、融資申請など)

【サイズ】16.5mm〜18mmが一般的
【文字構成】会社名のみの場合が多い

3. 角印(社印)

社内での見積書・請求書・領収書などの書類に使用される印鑑で、法人の印象を整えるビジネスアイテムのひとつです。法的効力はないものの、企業の信頼性を担保する役割があります。

主な使用場面
  • 見積書、請求書、納品書
  • 提案書、契約書(参考として)
  • 業務委託書類など

【サイズ】縦横24mm角が一般的
【文字構成】「株式会社〇〇之印」など

4. ゴム印(住所・社名など)

書類作成時に便利な補助印で、社名・住所・電話番号などを記載するゴム印です。印鑑ではありませんが、事務処理を効率化するためにセットで作成するケースが多いです。

主な使用場面
  • 封筒や領収書への社名記入
  • 契約書や申請書の作成補助

不動産会社の法人印はどこで作ればいい?

法人印は以下のような方法で作成できます。

印章店(街のはんこ屋)

専門性が高く、即日対応してくれる店舗もあります。店舗スタッフに相談しながら作成できるため、初めてでも安心です。

オンライン印鑑作成サービス

価格が安く、種類も豊富。ネットから注文して数日で届くため、時間とコストを抑えたい場合におすすめです。ただし、法人印のサイズや文字入れにミスがないよう注意が必要です。

代表的なサービス例
  • 法人印3点セット(代表者印+銀行印+角印)が主流
  • 印鑑証明書用の印鑑には、チタンや黒水牛など素材も選択可能

不動産会社が法人印を作成する際の注意点

法人印は会社の“顔”ともいえる存在です。不動産業という信頼性の高い対応が求められる業種においては、印鑑の作り方や使い方にも配慮が必要です。

1. 代表者印と銀行印は分ける

セキュリティ上の観点からも、重要な契約に使う印鑑と、日常的に使用する銀行印は別にしておくのが望ましいです。1本で兼用すると、紛失や悪用のリスクが高まります。

2. 書類上の表記と一致させる

会社名の文字表記が登記簿や書類と完全に一致していないと、手続きが受理されないことがあります。株式会社、合同会社、有限会社などの表記、文字順、スペースなども正確に確認しましょう。

3. 印鑑の保管は厳重に

代表者印は法的効力を持つため、金庫などに保管し、使用する際は記録を残すなど管理体制を整えておくことが重要です。特に1人法人では、本人以外が使えない体制にすることが推奨されます。

4. 宅建業免許の申請にも使用する

宅建業の免許申請では、代表者印を押印する箇所が多数あります。申請書類の提出時に不備が出ないよう、印鑑の準備は早めに行いましょう。

印鑑登録証明書も同時に取得を

代表者印(実印)を法務局で登録すると、「印鑑証明書」の取得が可能になります。これは法人の信用を証明する書類として、金融機関や取引先から提出を求められることがあります。

主な提出先例
  • 銀行口座開設
  • 融資申請
  • 不動産取引に関する契約
  • 宅建業免許申請

印鑑証明書は法務局で取得でき、1通あたり450円程度で発行されます。

まとめ:法人印は不動産会社の信頼を支える基本装備

不動産会社を開業する際、法人印は登記・契約・営業のすべてに関わる基本的なビジネスツールです。

単なる“ハンコ”と侮らず、会社の信頼性や取引の正当性を支える証明ツールとして丁寧に準備しましょう。

特に開業初期は、印鑑の不備が手続きの遅延や印象の悪化につながることもあります。

代表者印・銀行印・角印の3点セットを基本に、自社の用途に合わせた印鑑体制を整えることが、不動産事業をスムーズにスタートさせる第一歩です。

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