備品のリースと購入はどちらが得?不動産開業時に比較しておきたい費用と契約ポイント

備品のリースと購入はどちらが得?不動産開業時に比較しておきたい費用と契約ポイント

不動産会社を開業するにあたり、事務所に必要な備品の調達は避けて通れない作業です。

デスクや椅子、パソコン、複合機など、業務に欠かせないアイテムは多数ありますが、それらを「購入する」か「リースで契約する」かは悩ましいポイントです。

初期コストを抑えるべき開業時には、リースの選択肢も有効ですが、長期的に見れば購入の方がコストパフォーマンスに優れるケースもあります。

本記事では、不動産開業時に検討すべき備品のリースと購入のメリット・デメリット、費用感、契約時の注意点を詳しく解説します。

備品リースと購入の基本的な違い

まずは、備品の「リース」と「購入」の違いを整理しておきましょう。

項目リース購入
支払い方法月額・年額一括または分割購入
所有権リース会社にあり自社に移転
減価償却原則不要(リース料を経費計上)減価償却が必要
保守・メンテナンス契約内容により含まれる自社で対応(別契約が必要)
更新・入れ替え定期的な更新がしやすい都度買い替えが必要

このように、リースは「月額で利用し、所有しない」方式であり、購入は「資産として持つ」方式です。それぞれに利点・欠点があるため、備品の種類や事業計画に応じた選択が重要になります。

不動産開業時:リースを選ぶメリット

初期費用を抑えられる

リースの最大の利点は、初期費用が大幅に抑えられることです。不動産業の開業時は登記費用や免許申請費用、広告宣伝費など多くの出費が重なるため、備品をすべて購入すると資金繰りを圧迫してしまう可能性があります。

リースなら月々の支払いで済むため、資金に余裕を持たせながら設備を整えることができます。

経費計上がしやすい

リース料は原則として全額経費処理が可能です。減価償却の手続きも不要なため、会計処理がシンプルになり、確定申告時の手間も軽減されます。

定期的な更新・入れ替えが容易

複合機やパソコンなどは数年で陳腐化することもありますが、リース契約であれば一定期間ごとに最新機種への入れ替えがしやすいです。常に最新の設備を使いたい方にはメリットがあります。

不動産開業時:リースを選ぶ際の注意点

トータルコストは割高になりやすい

リースは利息や保守費用込みでの料金設定となるため、長期的に見ると購入よりも支払総額が高くなる傾向があります。数年で買い替えるような機器には向いていますが、長く使う設備なら購入の方が経済的です。

中途解約には違約金が発生する

リース契約は基本的に中途解約ができません。契約期間中に業務形態が変わったり、廃業した場合にも残額の支払い義務が発生する可能性があります。

不動産開業時:購入を選ぶメリットと注意点

長期的に見れば経済的

備品を長期間使用する前提であれば、**一括購入の方がトータルコストを抑えられます。**特に、デスクやチェア、書庫など頻繁に買い替える必要のない備品は、リースに比べてコストパフォーマンスに優れます。

自由な使い方・カスタマイズが可能

自社所有の備品は、改造・再配置・転用なども自由に行えるのが強みです。リースの場合は契約範囲外の使用や移動が制限されることもあります。

資産として計上できる

購入した備品は固定資産となるため、会社の資産として評価される側面もあります。法人化を予定している方や、金融機関との信用構築を重視する場合には有利に働くことがあります。

不動産開業時:購入を選ぶ際の注意点

初期投資がかさむ

購入の場合は、最初にまとまった資金が必要です。特に複合機やOA機器、法人用の高機能電話などは数十万円の出費になることもあり、資金計画に大きく影響します。

陳腐化や故障リスクを自社で負担する

IT機器などは技術進化が早く、購入後にすぐ旧式になる可能性もあります。また、保守・修理も自社で対応する必要があり、維持コストが発生する点も忘れてはなりません。

リースが向いている備品/購入が向いている備品

選び方の目安として、以下のように考えると判断しやすくなります。

リースが向いている備品

  • 複合機(高性能で価格が高い/保守が重要)
  • ビジネスフォンシステム
  • パソコン(性能の陳腐化が早い)
  • タブレットやモニター(営業用/外出用)
  • ネットワーク機器(ルーター・NAS)

これらは定期的な更新や保守対応が必要なため、リースの利点が生きやすいです。

購入が向いている備品

  • デスク、チェア、書庫などの家具類
  • パーテーション、受付カウンター
  • 法定掲示物(宅建業者票、報酬額表など)
  • 名刺や印鑑、オフィス文具類
  • 観葉植物やインテリア小物

これらは長期間使用しても性能が変わらず、陳腐化の影響を受けにくいため、購入の方が合理的です。

リース契約時に確認すべきポイント

もしリースを選ぶ場合は、以下の点を事前に確認しましょう。

  • 契約期間(例:3年・5年など)
  • 月額費用に含まれる項目(保守・交換など)
  • 中途解約時の対応や違約金の有無
  • 解約後の引き取り方法・費用負担
  • 残価買取の選択肢があるか

特に複合機や電話機などは、「リース=保守込み」と思われがちですが、内容によっては保守契約が別料金の場合もあります。事前に細かい契約条件を確認することが重要です。

まとめ:備品ごとに「購入とリースの使い分け」を意識しよう

不動産会社の開業時は、コストを抑えつつも機能的な事務所環境を整えることが求められます。

そのためには「すべて購入」「すべてリース」と極端に考えるのではなく、備品ごとに最適な方法を選ぶことが成功のカギです。

  • IT機器や高額設備はリース
  • 家具や長期使用可能な備品は購入
  • 資金繰りや税務処理も含めてトータルで判断

このように使い分けることで、初期費用を抑えながらも、無理のない形で不動産事業をスタートすることが可能になります。計画的な備品調達で、スマートな開業準備を進めましょう。

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