不動産会社開業後、最初の1ヶ月でやるべき10のこと

不動産会社を開業するまでには、宅建業免許の取得や事務所の設置、保証協会の加入など多くの準備が必要です。しかし、本当のスタートは「開業後の1ヶ月間」にあります。
この期間に何をどこまでやるかで、今後の事業成長スピードが大きく変わります。この記事では、開業後すぐに取り組むべき10のアクションを順を追って解説します。
不動産会社開業後、最初の1ヶ月でやるべき10のこと
1. 自社ホームページの公開・整備
今や集客の第一歩は「ネット上での信頼獲得」です。開業前に制作していたホームページを、開業当日までに必ず公開し、以下の要素を整備しましょう。
- 会社概要、代表挨拶、アクセス
- 営業エリア、対応業務の詳細
- 物件紹介ページ(掲載準備中でもOK)
- 問い合わせフォームの設置
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)も併用し、ローカル検索での認知獲得を狙いましょう。
2. ポータルサイトへの掲載登録
スーモ、ホームズ、アットホームなどの主要ポータルサイトに早期登録を行います。ポータル経由の集客は費用がかかるものの、開業初期の反響獲得手段として最も即効性が高いのが特徴です。
掲載には審査・契約・物件入力が必要なため、1ヶ月目の早い段階で動き出すことが重要です。
3. SNS・LINE公式アカウントの開設
ホームページと並行して、SNS(Instagram・Facebook・Xなど)やLINE公式アカウントを開設し、認知拡大を図ります。
- 事務所の紹介、日々の活動報告
- スタッフの紹介、地域情報の発信
- 物件の内装写真・動画コンテンツ
これらの媒体は、広告費ゼロでも顧客との接点が作れるため、地道な発信を積み上げていくことが大切です。
4. 名刺・パンフレットなど営業ツールの準備
信頼獲得の基本は「自己紹介の丁寧さ」。開業初日から外回り営業や挨拶まわりを行う場合に備えて、以下の営業ツールは必ず準備しておきましょう。
- 名刺(宅建業者免許番号入り)
- 会社案内パンフレット
- サービスメニュー・料金表(あれば)
紙媒体は、人と人とのリアルな接点において今も重要な武器です。
5. 地元業者・オーナーへの挨拶まわり
開業初期は「信頼関係構築」が最優先。営業エリア内の以下の関係者へ直接足を運んで挨拶することが、地場での信用を得る近道です。
- 近隣の不動産会社
- 建築会社・工務店・リフォーム業者
- 賃貸オーナー・管理会社
- 金融機関・士業(司法書士、税理士など)
とくに管理物件の紹介や客付け依頼のチャンスが生まれる可能性があるため、積極的に動きましょう。
6. 物件情報の収集と物確体制の整備
ポータルに掲載するためには、他社物件(レインズや地場業者情報)などをもとに物件確認(物確)を日常業務に組み込む必要があります。
- レインズIDを取得し操作方法を習得
- 物確リストを作成
- 空室確認や資料収集のフローを決定
物件が掲載されていない間は、「掲載準備中」の旨を明示しつつ、会社の信頼構築に努めましょう。
7. 反響対応マニュアルの作成と実践
反響(問い合わせ)が来たとき、対応がバラバラでは信頼を失います。以下のような対応マニュアルを1ヶ月以内に策定・共有することが重要です。
- 初回対応の言い回し・ヒアリング項目
- 来店・内見の誘導トーク
- 対応後の記録・次回アクション設定
特に少人数運営の会社では、属人化を防ぎ、顧客対応品質を安定させることが成功の鍵です。
8. 電話・メール・チャット対応の整備
問い合わせ手段が複数ある今、すべてのチャネルで即対応できる体制を整えることが、開業後の信用構築に直結します。
- 固定電話番号・転送設定
- 会社用メールアドレスの整備
- LINE公式・チャットボットの連携
チャット対応の自動化やテンプレート整備なども、1ヶ月目から運用できると効率が大きく変わります。
9. 自社サービス・強みの見直しと明文化
開業初期は慌ただしくなりがちですが、自社のサービス内容・ポジショニング・提供価値を言語化しておくことが、広告・営業・接客すべてに役立ちます。
- 仲介、管理、売買、リフォームなどの対応範囲
- 他社と差別化できる点(価格、スピード、対応力)
- 対応エリア、ターゲット顧客
これは後の求人・マニュアル・広報戦略にもそのまま使える財産になります。
10. 顧客管理・業務管理の仕組み構築
1ヶ月目からしっかりと「顧客管理(CRM)」「案件管理(タスク管理)」「売上管理(会計)」の仕組みを構築しておくことで、業務が整然とし、2ヶ月目以降の成長スピードが加速します。
- 顧客管理:Googleスプレッドシート/kintone/Zohoなど
- 案件・タスク管理:Trello/Asana/Pitboard
- 会計・請求:freee/マネーフォワード
早期にデジタルツールを活用しておくことで、時間の使い方が劇的に効率化されます。


まとめ:最初の1ヶ月が“その後の半年”を決める
不動産会社を開業した後は、準備してきた基盤を一気に稼働させるフェーズです。1ヶ月目の行動量と準備精度によって、3ヶ月後・半年後の成果に大きな差が生まれます。
ポイントは、「とにかく動きながら整備していく」こと。完璧を求めるより、反応を見ながら改善していくスピード感が重要です。
今回ご紹介した10のステップをもとに、しっかりと地盤を固め、持続的に成果を出せる不動産会社へと成長させましょう。