【営業マン独立体験談】不動産会社を1人で開業したリアルな記録

【営業マン独立体験談】不動産会社を1人で開業したリアルな記録

「いつか自分の看板で勝負したい」「独立して自由に働きたい」

不動産営業を経験している人なら、一度は独立を考えたことがあるのではないでしょうか。しかし実際に行動に移すとなると、資金・知識・人脈など不安は尽きません。

本記事では、元営業マンが1人で不動産会社を立ち上げた実体験をベースに、開業までの準備・最初の壁・工夫して乗り越えたポイントなどをリアルに記録しています。これから独立を考える方の参考になれば幸いです。

不動産独立開業を決意したきっかけ

私は都内の中堅不動産会社で7年ほど営業職を経験しました。賃貸仲介・売買仲介ともに担当し、ある程度の成績も出していたものの、社内ルールや数字へのプレッシャーに疑問を感じ始めていました。

  • ノルマに追われて顧客対応が雑になる
  • 自分の得意なエリアで勝負できない
  • 契約数=評価、という偏った価値観

こうした葛藤の中で、「自分のペースで、丁寧な仕事をしたい」という気持ちが強まり、30代を目前にして独立を決意しました。

1人で不動産会社を開業するためにやった準備

宅建業免許の取得

まず取り組んだのが宅建業免許の取得手続きです。法人設立か個人開業かを悩みましたが、最初はコストを抑えたかったため、個人事業主として申請しました。

  • 事務所要件の確認(自宅を事務所にするために用途確認も)
  • 保証協会への加入(営業保証金の供託を避けるため)
  • 必要書類の準備と提出(開業経験がなかったため、行政書士に依頼)

許可が下りるまでの1か月間は、開業後のプランニングと、営業先のリストアップに集中しました。

最低限の設備と備品の用意

1人なので、設備は必要最低限に。

  • パソコン(物件管理、書類作成、メール対応用)
  • スマホ(顧客対応とLINE公式アカウント用)
  • プリンター兼スキャナー
  • Google Workspace(メール・カレンダー・ドライブ用)
  • 名刺・封筒・案内資料(すべて自作)

内装は簡素ですが、事務所写真とGoogleビジネスプロフィールを整えたことで「しっかりしてそう」と印象づけられました。

初期費用と資金繰り

開業にかかった初期費用は以下のとおりです。

項目金額(概算)
宅建業免許関連費用約25万円
保証協会加入費用約60万円
備品購入約10万円
印刷物・名刺等約3万円
合計約98万円

事務所は自宅の一角を使ったため家賃は不要。広告費は使わず、できる限り「人脈」と「足」で動く営業スタイルでスタートしました。

不動産独立開業後にぶつかったリアルな壁

反響ゼロの現実

「看板を出せば問い合わせが来る」と思っていたのは甘かったです。最初の2か月は、まさに“電話が鳴らない日々”。

  • ポータル掲載はコストが高く見送り
  • SNS投稿も反応薄
  • Googleマイビジネスからの流入も少ない

焦りながらも、地道に前職の顧客や知人、不動産オーナーへの連絡を繰り返し、ようやく1件の相談が舞い込んできたのが開業後3か月目でした。

自分で全部やる大変さ

1人開業は自由ですが、そのぶん事務・営業・契約書作成・管理業務まで全て自分で対応しなければなりません。

  • 物件確認の電話
  • 重説や契約書の作成
  • 管理物件のトラブル対応
  • 経理処理と帳簿付け

特に契約業務が重なる月は、物理的に「睡眠時間がなくなる」レベルの忙しさになりました。Googleカレンダーとタスク管理アプリを駆使して乗り切りました。

1人で不動産会社を開業しても成果を出せた工夫

LINE公式アカウントで顧客対応

電話だけだとハードルが高く、LINE公式アカウントを開設。空室紹介・日程調整・書類の送信などをLINEで完結できるようにして、顧客からの好感度アップにつながりました。

自作チラシとポスティング

エリアを絞って手作りのチラシを配布。「近所に住む不動産屋です。空き家や相続のご相談、無料で承ります」といったシンプルな内容で反響があり、実際に2件の査定依頼を獲得。

紹介ルートの構築

税理士・司法書士・リフォーム業者と連携し、「不動産の相談があったら紹介してください」とお願い。少しずつ相談→査定→媒介契約→成約という流れができてきました。

現在の状況と今後の展望

開業から1年が経過し、売買3件・賃貸5件・管理契約2件と小規模ながらも少しずつ「リピート」と「紹介」で回り始めた実感があります。

現在は、以下のような動きも始めています。

  • WordPressでホームページを自作してSEO対策
  • Googleマイビジネスで口コミ獲得に注力
  • 地元メディアや地域SNSへの投稿

今後は法人化と業務委託スタッフの活用も視野に入れつつ、「小さくても信頼される不動産屋」を目指して継続していきます。

まとめ:1人開業でも“選ばれる存在”になれる

1人で不動産会社を開業するのは、決して楽ではありません。最初は不安も多く、成果が出るまでに時間もかかります。

しかし、

  • 「誠実な対応がしたい」
  • 「自分の理想の働き方を実現したい」
  • 「顧客と長期的な信頼関係を築きたい」

そうした想いがあるなら、1人でも十分に勝負できます。

本記事の体験談が、これから独立を考える方の背中を押すきっかけになれば幸いです。自分の看板で勝負する日を、ぜひ現実にしていってください。

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